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宇宙警察は語る


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サクは背中に赤い羽根をつけたまま、
星々が輝く宇宙空間にぶら下がっているのは
とても違和感があったが

とりあえず、この状態のまま、シルビアの話に耳を傾けた

『僕が二週間、家を空けたときのことをサク姫は覚えているでしょうか…
あのとき、僕はミオカさまとコンタクトを取っていました』

シルビアは淡々と話し出す

シルビアが、二週間もの間、家に帰ってこなかったことは
昨日のことのように覚えている
シルビアは当時六歳、
サクは何とまだ十歳であったが
サクにとっても、
大門寺家にとっても、大騒ぎになる事件だったのだ



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『あのときは、シーが帰ってこなくて、毎日泣き明かしていたのに…
ミオカと連絡を取っていたって…ミオカはいくつだったのよ』

『僕は、今の状態と変わらないままさ…と言いたいところだけど
一応、サクと同じく、地球上では六歳だった

あのときは、どうしても…一時的にシルビアを宇宙警察として
ステーションに呼び戻す必要があったものでね
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シルビアは、人間の言葉を話せない制約があったから
黙って大門寺家を後にするしかなかった』

ミオカは長い前髪を、白い指で払いのけ、
やや、熱を帯びた目でサクを見つめた

久しぶりにミオカの顔をまともに見たが、
相変わらず、特徴がこれと言ってない、フツメンだな…
とサクは思った

『ミオカ…その仕草、かっこいいと思ってるかもしれないけど…
ただのナルシストだから』

『あいかわらず、君は僕をかっこいいと思わないんだな。
これだけ長い間、異性である僕と時間をともに過ごしていて、
ちっとも気持ちを寄せる気配がないとは…ある意味すごいね』
ミオカは、もう慣れたと言わんばかりの表情で、苦笑する

『シー、話してよ。二週間の家出の内容を』
サクは、ミオカの言葉を丸無視して、
シルビアに話しかける
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『サク姫が生まれた年である西暦2000年のミレニアムから、
六年が経過していました

地球が滅亡するという危機を
人類が乗り越えて、六年…

僕は冥王星人であるサク姫のことを
宇宙ステーションに報告する義務がありました

そのときのことをサク姫に
一度、追体験してもらう必要があります…

さあ、今から飛びましょう』
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身長170㎝の猫人間であるシルビアは、
大きな猫手でサクの小さな手をガッチリつかむ

『えっ…追体験って…』サクが言い終わらないうちに…

宇宙に白い空洞が空き、
サクたちは瞬く間に吸い込まれていった

☆シルビア☆

by adv39 | 2016-10-07 03:53