地球でやり残したこと

サクは、
シルビアの背中を抱きしめながら
ラクダに揺られていたが…

砂漠の陽炎に包まれると、
意識はゆらゆら遠のき…夢を見た
いや、もはや夢の中で夢を見ているのか
サクにもわからなかった

サクはぽつんと…、
360度、星空が支配する空間で、
宙に浮いていたのだ

(ああ…、仏壇に入ったり、
空飛ぶ潜水艦に入ったり、
コタツ・イン・ワンダーランドに入ったり…
何だかもうグチャグチャ…)

サクを取り巻くすべてが、
脈絡のない夢のようだった

すると…
翡翠色をした大きな瞳が両目とも
星空のスクリーンに映し出された

サクはギョッとする

『サク…その通りだ

地球での出来事はすべて夢…

君は、地球の暦で言う2015年7月7日に…存在していたデータが抹消され、
元いた冥王星に還ることになっている

君の記憶も徐々に薄れゆくだろう』

サクは首をぶんぶん振った

『悪い冗談はやめてください
私は、はっきりくっきりと…地球で生活していたことを
覚えています

まだ地球に戻ってやりたいこともあるのに…』

と、サクは涙声で訴えた
(やりたいことか…
本当はこれと言って、
やりたいことも見つけてないけど…
何だろう?
それがわかれば、地球に戻れるかもしれない

教えて…私のやりたいことって…)

と…
サクは、自分に問い掛けるのだった

☆シルビア☆
by adv39 | 2015-11-19 01:30