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キスして、ウィンクマネー


世にも不思議なラーメンを食した後、
サクは『お金持ってなかった…』と青ざめた
ベルが『心配ご無用』と言って、
ウィンクすると
ギギギ…と人造人間が会釈した

『今の…何?』サクが呆気にとられていると
『ウィンクマネーよ』とベルは言った

『つまりウィンクすれば硬貨を支払ったことになるわけだな…』
風間が気難しい顔をした
『やったあ、簡単よね』サクはそう言って
必死にパチパチウィンクしたが
どうしても両目をつむってしまうので
人造人間はギギギ…と首を傾げた

『サク姫、こうですよ…瞬間的に…パチッと』
そう言ってシルビアは、簡単にウィンクをやって見せた

『えー。わかんないっ…風間君はできた?』

『そんなことするくらいだったら、一億円支払った方がマシだ』
風間の言葉に、サクは彼の常識を疑った

『どう考えてもウィンクしたほうがマシだと思う…というか
あれ〜…できない…』
考えてみれば、サクはウィンクする習慣がなかった
姉のレミが、頻繁にウィンクしているので
易々とできると思っていたのだが…

『ベル、どうしよう…無銭飲食になっちゃう』
ベルがあらら、という顔をして、自分のヒゲを引っ張ると
人造人間はギギギ…と固い頬の辺りをこすった

『ほっぺたにキスしてあげてください…とのことです』

どうやら、猫ヒゲを通して
人造人間と会話をしていたらしい
サクは少し戸惑ったものの、
『わかった〜、
人造人間さんのほっぺたってどの辺り?』
サクが答えると

『いえ…マスターにじゃなくて…』ベルは風間をチラッと見た
『ええええ〜イヤ! わけわかんない』サクが首をぶんぶん振ると
『サク姫がみおか様にキスですか?! いくら何でもそれは…』
シルビアは、猫ヒゲを震わせ、
人造人間と交渉し始めたが
『ウィンクか、隣りの青年の頬にキスすること』という条件は揺るがないようだった

『それで、みおか様の支払いも済んだことになるそうです…
仕方ない、サク姫、
瞬間的にチュッと、みおか様の頬に』

『いやああああ
そんなことするくらいだったら、一億円払ったほうがマシ!!!!』
サクはそう言ってまたウィンクしようと試みたが
うまくいかない

『一億円なんて持ってないくせに…』
風間はクッと笑った

『風間君はどうしてウィンクしないのよ』
サクが問い掛けると、風間は
『それは…つまり
君にキスされたいから』と、うつむき加減につぶやいた

(からかってるの?

この人、どんどん変なキャラになってきた…)

サクは、かっかと
頭も
頬も熱くなり、

怒っているのか照れているのか
わからない状態になった

☆シルビア☆
by adv39 | 2015-11-17 00:49