それがしは、徳之介

サクが意を決して
仏壇のふすまを開けると、
畳の上で、亡き祖母のよし子がお茶をすすっていた
膝の上には、よし子が昔飼っていた黒猫のベルが寝そべっていた

『よし子おばあちゃん?!』
サクは化けて出たのかと思って驚愕した

『いんや〜…サク元気してたか…何か追い出されちゃってね』

よし子は、仏壇を指差した

仏壇の前では、
ちょんまげ姿の侍の男がゴソゴソと何かやっている
不審者に違いないと確信したサクは、叫んだ

『あ、あなた、誰よ!…警察に通報するわよ』

『んむっ!』

勢いよく、ちょんまげ男は振り向いた

『それがしは、名を、大門寺 徳之介と申す!大門寺家代々に伝わる発明家じゃ』

徳之介と名乗った男は、太い眉をキッと上げて睨みつけてくる
よし子は、黒猫ベルを撫でながら、
『あんた〜ダメだよ
あの人は立派な人なんだから…
話さなかったかい?あんたのご先祖さまに偉大な発明家がいるって』
と呆気に取られているサクに向かって、ニコニコしながら言った

…大門寺 徳之介

『聞いたことないよ!』
サクは更に大きな声で叫んだ

なぜ仏壇から追い出されたのが、
よし子と徳之介なのか

仏壇の中で何が起こっているのか

サクは謎を解明しなくては、と思った

☆シルビア☆
by adv39 | 2015-09-15 01:30