七夕の転校生

サクは学校の外に出て、塀の上を見れば…
お約束のようにシルビアの姿は影も形もなくなっていた

恐らく、自由気ままに、風吹くまま、どこかへ行ってしまったのだろう
こんなに青空が晴れ渡って気持ちの良い日だから楽しくて仕方ないはずだ

あんなに走ったのにバカみたい
とサクはがっくりきたが
一応、無事であることは確認できたので少しだけ安心した

シルビアが逃げたのは久し振りだったので

忘れていたが

一日中、ほっつき歩けば、お腹を空かせて帰ってくるはずである

そう信じて、サクは
1年C組の教室まで戻ってきた

後ろの扉をソーッと開けば、先生はもう来ていて、(しまった)と思ったが

学級委員長の温子がサクの方を見て、ウィンクした
先生に上手く話してくれたらしい
サクが入ってきたのに気づいたタンクトップ姿の担任の先生は
『おっ大門寺、体調大丈夫か』と話し掛けてくれたので
『はい』と答えた

担任の先生は、松岡修造のような威勢の良い体育教師である
なので、生徒達からは『松岡先生』と呼ばれている
よく見ると
体格の大きい松岡先生の隣に、
一人の男子学生がうつむきがちに立っていた

(これが、あっちゃんの話していた七夕の転校生か…
ん?でも
どこかで会ったことあるような…)とサクは思いながら
一番後ろの席についた

黒板には

[奏多 みおか]

と名前らしきものが記されていた

☆シルビア☆
by adv39 | 2015-09-11 01:31