あっちゃんとサク

脱走したシルビアが帰ってくることを祈りつつ、
サクは、学校に行くことにした

サクの家から高校まで、徒歩30分ほどかかる

自転車で行けばあっという間だが
気持ちを鎮めるため、
サクは歩くことにした

学校の校門まで来たとき、
『おはよう、サク』と明るい声に呼び止められた

クラスメイトで、学級委員長をしている温子だ

通称あっちゃん

人望が厚く、面倒見がいい
サクの小学校からの幼馴染みでもある

おっちょこちょいで人見知りの激しいサクは
何かと温子のお世話になっていた

『…あっちゃん、おはよう』
『どうしたの?何だか疲れているみたい…』
温子はサクの顔をのぞき込んだ

我が家に宇宙人が襲来してきた後、
母親とケンカして、飼い猫が脱走した…
と説明しようとしたが

恐らく伝わらないだろうと察知したサクは

『何か、変な夢見て、寝不足なんだ…』
とあいまいに話をぼかした

温子は、サクを気遣いつつ、
『今日は無理しないでね』と優しく微笑んだ

温子の人柄には、
いつも癒されるとサクは思った

『そうそう、今日ね、クラスに転校生が来るのよ。
サクにだけ教えるけど』
学級委員長は、
事前にそういうことも把握しているらしい

温子の言葉に、サクは
『そうなんだ…何でまた突然』
と、大して興味がなさそうに、つぶやいた


『さあ…でも
七夕の転校生、って何だか面白いわね』

何でも、楽しめる温子の性格がうらやましく、
サクもそんな風になりたいと
かすかに思った


☆シルビア☆
by adv39 | 2015-09-07 23:40