幼き少女が握る鍵

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あれからーーーーーー

とりあえず、

サクたちは、
数多くの猫が集うセノオさんのアパートの庭に
待機したままである…

背中の激痛に見舞われたサクは、ナースの役職を持つ
黒猫ベルの手当てを受けていた

『はあ、はあ、はあ…何なの毎回、
私をドМに引きずり込もうとする展開は…

ああっ…いたぁいっ…』
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『サク姫さん…落ち着いてください。ベルが今、消毒してますから』
ピンクのナース服に身を包んだベルが
そばに寄り添っていてくれると、

先ほど受けた衝撃も、徐々に和らいでいくようだった

『サク、大丈夫か』
『……ミオカは、黙ってて』

『ははっ、嫌われたか…それともツンデレ?』

サクは、いつものようにミオカの言葉をスルーさせた

(まったく…ちょっと気を緩めたら、この男は
何をしでかすかわからない…)
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サクがムスッとしていると、

『ねえねえねえ、お姉ちゃん…大丈夫?』
シルビアと楽し気に戯れていた6歳のサクは、
16歳のサクの元へ、トットットッ…と小さく駆け寄ってきた

黄色いカーディガンと小花を散りばめた淡いピンクのフレアースカートをはき、
髪を二つに結わいている

どんぐりのように、丸く黒目がちの瞳は、
やはり他人のように思えない…かといって、

これが『6歳の自分』と言われても、
ピンとこなかった

『お姉ちゃん、赤い羽根が生えてるねぇ…これ、サクも知ってるよ』

6歳のサクが、16歳のサクの羽根を優しく撫でると

羽根は
『ギュルン…』と動物のように鳴いた
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『えっ…どういうこと…』

『サク姫…ちびサク姫は、何か重要な鍵を握っているようなのです』
『ちびサク姫?』

『どちらもサク姫なので、
6歳のサク姫をちびサク姫とお呼びすることにしました』
シルビアは、ひげをピンッと立てて、会釈した

『ふっ…それがいいな。だったら、僕はこの子をちびサクと呼ぶよ。
ちびサクおいで』ミオカが手を差し伸べれば、

『やーだー』ちびサクは、170㎝のシルビアの後ろに
トットットッ…走り寄り、隠れた
『おやおや…』シルビアは、ちびサクの頭をよしよしと撫でる
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『お主、どちらのサクにも嫌われたよのぉ』
徳之助がヌッ…とアパートの階段の陰から、
さっそうと現れたので、

『あはっ、忘れたころに徳之助さんが現れた』と
サクは呑気に笑っていたのもつかの間、

上空に、ゴゴゴ…と轟音を立てて、航空機のようなものが
流れていくのを、目で確認した


☆シルビア☆

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by adv39 | 2017-09-11 19:17