激しい胸の高鳴りで、赤い羽根が発動したのか…?

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『あれ…シルビア…どこ…?』
 サクはキョロキョロと辺りを見渡した
 先ほどまで、サクとミオカと共に物陰に潜んでいた
シルビアが忽然と居なくなっていたのだ

 『おい…シルビア!6歳のちびサクの元へすっとんでいったぞ』
普段、物事に動じない冷静なミオカが驚きの声を上げる
 『えっ…うそ…シーだめっ…!』サクはシルビアを止めようとしたが
遠くから、
 『サク姫~…サク姫ーーーっ!』と6歳のサクの元に駆けつけている
シルビアの声がしたので、時すでに遅し、といった様子だった
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 『シー!いま、あなた170㎝の猫人間なのに…、6歳の私があなたを見たら
驚いて泣いちゃうってば…』
 サクは背中の赤い羽根が重くて、身動きが取れず、
後ろで繰り広げられているシルビアたちの状況も目で確認できない

『ちょっと、ミオカ…今どうなってるの…?』
とりあえず、サクは、
現在自分の重い体を抱きとめ、支えてくれているミオカと
正面から、向かい合うしかなかったのだが…

 『…サク…ドキドキ、するか』ミオカがごくりと唾を飲む
 『はあ…?今はそれどころじゃ…』
 『僕は、ドキドキするよ……すごく…二人きりだ』
 ミオカが、グッと至近距離まで、顔を近づけてきたので
サクは、
 『あの…全然…しないわ…困惑はしてるけど…』
と感じたまま、率直に伝えた

 『ふーん…そこまで言うなら…今から君の唇を奪おうかと思う』
 『はあ!? ちょっと…やめて…!犯罪よ』
 『僕も君も16歳…同い年の男女だから問題ないだろ』
 『それ違う!…合意じゃないし…だれか来てー
シー!徳之助さーん、たすけてー』

 サクは、ご先祖様の徳之助を探したが、
彼は、猫の集会所の猫たちと戯れているうちに
 『うむ…ムニャムニャ…かたじけない候』と寝言を
で応対しつつも、眠ってしまっていた

 『ちょっとーーーーっ子孫がピンチに追い込まれているときに
猫とうたた寝してる場合じゃないでしょーっ、
しかも…これだけ猫がいるのにみんな寝てるってどういう状況よ』

 『サク…僕けっこうかっこいいと思うんだけど…』ミオカは、
自分の長い前髪をはらいのけて、グッと顎を引きつつ、
じっとサクを見つめたので、
 サクは
 (うっ…ミオカの中二病ナルシストが発動したっ…)とますます困惑する

 『うーん…、ふつうじゃない?
薄口の…、より薄いしょうゆ顔って感じ』
と、サクは見たまま感想を述べた


 『ふふふ…君は確か、しょうゆは薄味が好きだって言ってたよね。
ということは、君は僕のことが好き、ということだ』
 (しょうゆと人間は別なんだけど…)
サクは繰り出すミオカの発言にドン引きしていた

 『サク…やっと君と…』

 『いやあああああああああ』
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サクの感情が大きくぶれ始めた瞬間…、

 サクの背中の赤い羽根が大きく開き、
バタバタと羽音を立て始めたのだ

 ☆シルビア☆

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by adv39 | 2017-05-26 22:21