猫の家出と少女のかんちがい

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『シー、どこー? もうサク、怒ってないから
帰ってきてよぉ……』

少女の声の主は、6歳のサクだった

肩までの長さの髪を二つに結わいて、
黄色いカーディガンを羽織り、
薄ピンクのフレアースカートをはいている

彼女は、シルビアを探しに、小さな足取りで
近所をうろついていたのだ

『ああ…やんごとなきサク姫…そうだった。僕は、とある一件で
サク姫に叱られたことがありましたね』
シルビアは、ニヤリと笑うかのように目を光らせた
現在の16歳のサクは、
『何かあったっけ…❔』と首を傾げる

『ふっ…あれが、6歳のサクか…今より素直そうだけど』
ミオカが、つぶやいた言葉に16歳のサクは

『どうせ…』と一言、漏らす
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『くしゅんっ…ああ、もう花粉が飛んでるねぇ…おや、
ところで小さな女の子の声も聞こえてくるようだけど』

 先ほどまでうたた寝していたセノオ閣下ことセノオさんは
あちこちで咲き始めている桃の花の香りに鼻をくすぐられ、
目覚める

『よっこらせっと…どうしたんだい』セノオさんは、腰を上げ、
道端で途方に暮れている6歳のサクに声を掛ける

 『あのね…猫が家出しちゃったの…サクが、前日、シーのこと
怒ったから…シーがサクの大事なお人形の髪をむしっちゃったから怒ったの。
そしたら、次の日シーがいなくなっちゃったの』
 サクはぐずりながら、飼い猫がいなくなって探している旨を
伝えているようだった

 『ぷっ…おいおい、シルビア…君、何でそんなことしたんだよ。
サク、覚えてるか❔』
物陰で息を潜めつつ、
ミオカが、小さなサクとセノオさんの会話を聞いて、吹き出した

 『あー…そういえば、そんなことあったかも…
記憶は曖昧だけど。シーは、荒くれものだったからなあ』

 サクは、6歳のサクの元へ駆け寄りたかったが、
背中の赤い羽根が重くて、彼女の顔すら確認できなかった


☆シルビア☆

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by adv39 | 2017-05-23 17:48

我が家を戦艦にされてしまった、波瀾万丈な日常を女子高生の目線で語ります


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