能あるラスボスがひづめを明かす

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二階に上れば、サクの部屋のドアは、
隣り部屋を突き抜けて飛ばされていた

どこもかしこも半壊状態である
サクは、
『あちゃあ』という声しか出なかった
しかし、シルビアに抱きかかえられたまま、自室に潜入すれば
ミオカが大きめのショットガンを打ち鳴らしていた
部屋のあちらこちらで煙が発生している

『ちょっと、ここ私の部屋なんだけど…うわっ』
窓の向こうに、図鑑でしか見たことのないような恐竜が
目をぎらつかせてこちらを見ていた
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『あれはラスボスです…サク姫、僕から絶対離れないでくださいね』
シルビアが、サクをギュッと抱きしめる

恐らく、ラスボスに
ガラス窓を壊されれば、一気に襲われそうである
そのとき、
ドピューン、ピコピコピコ…という不思議な機械音とともに、
サクの眼前に閃光が走った
クラクラしたサクは、思わずシルビアの腕の中に顔を埋める

『ふう、落ち着いた…おや』ミオカは、額の汗をぬぐうと
シルビアとサクの存在に気づいたらしい

『サク大丈夫か?』
『…っ、大丈夫じゃないわよ…私の部屋で何が起こってるの』
『君は、恐竜マニアだろ』ミオカは、サクの本棚から『恐竜』の図鑑を取り出した

『前も言ったよな
君の意識と連動して、この宇宙は動いていると
君は、昔から友達が少なかっただろ


恐竜の図鑑を眺めながら、恐竜が絶滅してしまった理由について
延々と考えていたものだから、
算数の成績を極端に悪くしたり、
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遊ぶ友達がいなかったから
草むらのバッタと一緒に草むらをぴょんぴょん跳ねたり
勇ましい風貌の
カマキリに一目ぼれしたものだから、
彼を追いかけて、排水溝に落ちたり

エコブームに乗っかって
道端に落ちているつつじの花の蜜を吸って、
おやつの時間を満たしていたり…

そのほか、
池に落ちたアリンコを救出させるゲームに勤しんでいた

アリンコをいくつか集めて、
庭で育てていたのも知っている』
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『はあ…そんなのどうでもいいじゃない』
サクは、顔を上げてミオカをにらみつける

『僕は、ずっと君を見てきたからな…
君が生まれた時から一緒にいた
宇宙警察シルビアとも連絡を取ってきた
サク…ずっと会いたかったよ…』
ミオカは、長めの前髪をはらいのけて、サクを見つめた

(ミオカ…重症の中二病だわ…)サクは、何度目かわからないため息をついた

『ミオカさま、今は、そんなことより…ラスボスは…っ!
ハッ!』シルビアが、キラーンと窓のほうへ目を光らせると

大きなひづめが、窓ガラスを打ち砕くのが見えた

☆シルビア☆

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by adv39 | 2016-08-14 19:46

我が家を戦艦にされてしまった、波瀾万丈な日常を女子高生の目線で語ります


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