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宇宙の星くずたち

狭い光の空間で

サクは風間と、至近距離の状態のまま…

『わが家を戦艦にするだなんてひどい!
戦争、断固として反対!』
と、彼の長い前髪を、吹き飛ばす勢いで
叫んだ

しかし、風間は、
サクの攻撃にもろともしない様子で、クスッと笑う

『ふぅん
君はアベノミクスの安保法案を
受け入れないクチだね…
自衛がしっかりしていないと、大切な家族を守れないよ

まあ、誰だって、好き好んで
戦争を勃発させたいわけじゃないし…

あははははは』

風間の態度に、
煮え切らない奴と、サクは思った

そのとき

サクと風間がいる光の玉が、
小刻みに、ガタガタ揺れ出した

サクは思わず、風間の肩にしがみつき、
恐怖に怯えた

『ほう、
僕は、君にとって敵じゃなかったの?』
風間は、笑いを含んだ声でサクに問い掛ける

『あなたなんか
敵にも味方にも相当しないわ

塵よ、空気よ、
人間のクズよ!

だけど、仕方ないでしょう、近くにあなたしかいないんだから』

人間のクズという表現は我ながら、かなりひどいと感じたが、
その後の風間の台詞を聞いてサクはのけぞった

『僕たち人間は、しょせん
塵であり、空気であり
宇宙の鉱石の一部であり
星くずだからね…

ほら、もっと、こっちにおいで

互いに、くず同志…
もっと
仲良くしよう』

風間は
サクを抱き寄せたが、
『いやああああ』と
サクが拒否した瞬間、

光の玉はパーンと崩壊した


☆シルビア☆
by adv39 | 2015-09-26 04:46

我が家を戦艦にされてしまった、波瀾万丈な日常を女子高生の目線で語ります


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